株主・投資家の皆様へ
代表取締役会長 兼 CEO
齋藤 茂 |
代表取締役社長 兼 COO
渡辺 康人 |
株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
ゲーム市場の動向と経営環境2024年8月期、当社が軸足を置くゲーム関連の市場環境は概ね堅調に推移しました。コロナ禍の巣ごもり需要の反動から、業界各社の業績動向に一時的な停滞が見られる部分もありましたが、国内・世界ともに市場規模は高水準を維持しています。スマートフォンゲーム市場は成熟し、新規コンテンツのヒットが難しくなっている一方、PCゲームの市場規模は年々成長を見せています。
今後の市場動向に関しては、着実な成長軌道を辿るものと予想しています。任天堂株式会社が次世代ゲーム機を2025年3月までに発表する計画であることも受けて、業界と市場の活性化に対する期待がより一層高まると予想されます。特にグローバルのゲーム市場が順調に拡大していることに加え、生成AIをはじめとする先端デジタル技術の進化が業界と市場の発展を力強く牽引しています。
当社の経営に影響を及ぼす重要な環境の変化としては、近年、ユーザー層の広がりやトレンドの変遷の加速、ゲーム開発期間の長期化などを背景に、ゲーム会社側の企画がユーザーの期待を的確に捉えて販売見通しの通りにタイトルのヒットにつなげることが難しくなっていると感じられます。このことからお客様のゲーム事業におい
て、以前よりもマーケティングが重視され、開発中のタイトルまたは開発したタイトルの評価替えがされるなど、方針や考え方の転換が見られております。
当社は付加価値の高いサービスを提供するディベロッパーであり続けるため、2024年8月期も開発技術力の向上とグローバル案件を含む新規プロジェクトの獲得に力を注いでまいりました。しかしながら、想定外の不採算案件の発生と開発案件の中止や失注が重なったことで、2024年8月期の売上高は前期を大きく下回り、各段階利益で会社設立以来初の赤字となりました。
想定外の開発トラブルで不採算となる事態が2件重なりましたが、2件とも、当社にとって今までにない新しい要素を持った案件であり、トラブルはその新規性に起因するところも一部あったと考えております。しかしながら、将来的な事業成長のためには、様々な面でのチャレンジや新規要素の取り込みが不可欠と考えておりますので、
今回の振り返りをしっかりと行い、これからも挑戦を続けてまいります。
また上述したように、お客様のゲーム事業における方針やタイトルのリリースについての考え方に転換があったことで、当社が2024年8月期に着手を予定していた開発案件が複数中止や失注となりました。一部制作に着手していたものもあり、大きな損失となってしまいました。
今後速やかに成長軌道に戻るため、フィリピンにある子会社の清算と札幌開発センターの閉鎖を決定しております。2024年8月期に特別損失を計上することとなりましたが、付加価値や成長性の向上がより期待できるフィールドに経営資源を集中させ、事業推進体制の一層の高度化を図ってまいります。
2025年8月期には、損失の発生を未然に防ぐ仕組みづくり、体制づくりに注力し、確実に黒字転換を果たし、さらなる事業発展に挑戦してまいります。
開発トラブルを防止するための施策のひとつとして、2024年9月にプロジェクトマネジメント支援室を設置しました。プロジェクトチーム以外の客観的な視点で進捗と品質をモニタリングすることで、開発業務におけるリスクの低減を図ってまいります。
デジタルエンタテインメント事業では、開発に関するご相談やご依頼は継続的に寄せられておりますので、新規受注に向けての活動を精力的に推進するとともに、2025年8月期初頭に立ち上がった新たな大型案件や2023年8月期以前から取り組んでいる案件を、着実に進行させてまいります。
SI事業ではこれまで注力してきた教育関連分野で、新規案件を2024年8月期の後半に獲得し進めております。その他にも複数のコンテンツ開発案件をスタートさせる予定であり、非ゲーム分野での事業拡大を進めてまいります。
当社はこれからも、長年にわたり培ってきた高度な技術力と広範なネットワーク、そしてお客様との強固な信頼関係を強みに、市場と社会に新たな価値を発信し、持続的な成長と企業価値の最大化を追求してまいります。
株主の皆様におかれましては、なお一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役会長 兼 CEO 齋藤 茂
代表取締役社長 兼 COO 渡辺 康人
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