外部環境の変化に柔軟に対応し、「永遠に続く会社づくり」の実現に向け、2020年8月期は組織強化・人材投資を積極化
当期業績と今後の取り組みについて渡辺社長に伺いました。
- 当期を振り返っていかがでしょうか?
- 期初予想通り、増収増益を達成。特に利益面では大幅な増益となりました。
昨今の国内スマホゲーム市場における競争激化を受け、一部のスマートフォン向けの運営案件に関して顧客の要望により運営業務の終了や運営規模の縮小が発生しましたが、他の大型案件が概ね順調に完了。また、一部の家庭用ゲームソフトの大型案件の仕様追加等により開発売上が伸長しました。利益面では増収効果の他に、効率的な事業運営を図ることで大幅な増益を達成することができました。
一方でここ数年、一般企業でもIT人材の需要拡大が進み、ゲーム業界、IT業界から人材が流出する傾向にあります。そのため、人材確保についても策を講じました。開発を進めていく中で、当初のプロジェクトの人員体制では難しい局面もあり、各スタジオ内、あるいはスタジオの垣根を越えて人員調整を行い、各案件を全社で乗り切ることができました。この教訓を今後も生かしていきたいと考えています。
- 事業環境と今後の取り組みについて教えてください。
- 次世代機、クラウドゲームへの対応等、外部環境の大きな変化に柔軟に対応できる組織体制の強化と積極的な人材投資を実行します。
ハードウェア、通信環境、ビジネスモデルの変化等により外部環境は変化し続けています。PS5やXboxの次世代機への対応も必要ですし、5Gサービスの開始、クラウド化の進行等で、データ通信の在り方が変わりますので、ゲーム環境は大きく変化すると見ています。技術的には、高画質で登場するオブジェクト※数が多く、またマルチプレー等により複数人分のデータ処理を行うことが必要になります。様々なメディアミックスが考えられるため、それぞれの題材の特性を生かしたビジネスモデルの提案や、ゲーム内課金のシステム構築等も必要になってくると考えています。オブジェクト...ゲームに登場する主人公・敵などのキャラクターやアイテムなどのこと
- 中期経営ビジョン 組織戦略の実行
開発部門の機能ユニットの新設と、風通しのよいフラットな組織へ。
このような状況のもと、当社は「中期経営ビジョン NEXT 2021」の基本である「持続的な成長のための組織体制の確立」の第一歩を踏み出したところです。2020年8月期は「新組織体制の着実な実行」と「積極的な人材投資」に重点的に取り組みます。具体的には、企画開発推進部と研究開発推進部、この2つの専門部署を新設しました。企画・提案力の向上と研究開発、この両輪がしっかりと機能することで、次世代機やクラウドゲームの登場による事業環境の変化に対応していけると考えています。
且つ、開発本部を廃止し、各開発スタジオを経営体制と直結させることで、開発組織のフラット化を行いました。指示系統のピラミッドが深いほど、上層部と現場のギャップが生まれますし、新しい技術を生かすための現場の意見を取り入れながら経営判断に反映するためにも、意思疎通がしやすい組織体制が構築できたと考えています。
また、評価制度を改善し、モチベーションアップに繋がるような人事制度の改革や従業員が働きやすい環境を整備していきます。
- 株主の皆様に向けたメッセージをお願いします。
- 安定配当を維持し、年間25円の配当を実施。
外部環境変化が大きいほど、企画・開発力、技術力のある当社は各ゲームメーカーの「縁の下の力持ち」としての価値を発揮できます。「永遠に続く会社づくり」に取り組む一方で、株主の皆様への還元もしっかり行ってまいります。株主の皆様におかれましては、当社の企業活動に引き続きご理解を賜りますとともに、今後も一層のご支援のほどよろしくお願いいたします。